名古屋大学 大学院工学研究科 機械システム工学専攻/機械・航空宇宙工学科 バイオメカニクス研究室へようこそ!

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血管のバイオメカニクスに関する研究

二軸引張試験機を用いた動脈瘤組織の力学特性の計測

研究の目的と背景
 現在,大動脈瘤の手術適用基準には最大拡張部の大きさや瘤の形状が用いられています.しかし,直径の大きな瘤ほど破裂しやすいということはなく,直径が小さくても破裂してしまう場合があります.そこでより正確に手術適用基準を設けるために,実験で測定された大動脈瘤の力学特性データベースと大動脈瘤のCT像や診断時の情報となどから,破裂の危険性を予測する「大動脈瘤診断支援システム」が必要となります.この研究では,二軸引張試験機をもちいて動脈瘤組織の力学特性を計測し,力学データを蓄積し,また力学特性に関連の深い因子の探索をすることが目的となります.
研究方法
 図1は二軸引張試験機の概略図です.試料には標線を引き,各辺に釣り針を5本ずつかけ,それぞれのカンチレバーとの間を手術用の絹糸で交互に連続的に通して結ぶという方法で把持します(図2).このように把持した状態で二軸引張試験をします.荷重検出はカンチレバー式のロードセルによって行い,変位測定は試料をCCDカメラで撮影し,その映像を二値化することにより行います.得られたデータから応力-伸び比関係を求めます.引張試験で得られた瘤の力学特性と関連の深い臨床の因子を探索します.

図1 二軸引張試験機の概略図(田中俊浩,1999)

図2 試料把持状態(福井智宏,2000)